古物商許可

古物商の営業所と管理者の要件|自宅・賃貸・バーチャルオフィスは?管理者は自分でいい?

最終確認日:公開日:行政書類メーカー運営事務局

この記事の要点

  • 営業所は「営業の本拠」で、帳簿や商品を置き、営業の責任を負う場所です。自宅を営業所にすることもできます。
  • 住所を借りるだけで実際には使わない場所は、営業所の意味に合いません。賃貸物件では、使い方について確認されることがあります。
  • 管理者は営業所ごとに1人。申請者本人がなれますが、未成年者や欠格事由に当たる人はなれません(13条2項)。
  • 管理者は営業所に常勤できることが前提です。近くの複数の営業所なら、1人で兼ねられる場合があります。
  • 管理者を具体的に決めていない、その営業所で働いていない、などのときは許可を受けられません(4条10号)。

営業所とは

警察庁の解釈運用基準は、営業所を「人の営業の本拠であって、営業全般についての法律的事実的行為の責任の所在場所」と説明しています。営業に必要な帳簿や商品を保管する事務所・店舗なども含みます。

つまり営業所は、看板があるお店に限りません。ネットだけで売り買いする人でも、帳簿をつけ、商品を保管し、取引の責任を負う場所が営業所になります。多くの個人の古物商は、自宅を営業所にしています。

主たる営業所とその他の営業所

申請書には「主たる営業所」と「その他の営業所」を書きます(古物営業法5条1項2号)。主たる営業所は会社の本店と一致することが多いものの、古物営業の中心が支店にあるときは本店と一致しないこともあり得ます(解釈運用基準)。その他の営業所は、他の都道府県にあるものも含め、古物営業を行うすべての営業所です。

自宅・賃貸・バーチャルオフィス

場所考え方
持ち家の自宅営業所にできます。帳簿や商品を置く場所を決めておきましょう
賃貸の自宅・事務所営業所にできますが、営業での使用を貸主が認めているかを確かめられることがあります。賃貸借契約書の写しや、貸主の使用承諾書を求める警察署もあります
バーチャルオフィス・レンタル住所住所を借りるだけで、そこで帳簿の管理や商品の保管、管理者の勤務をしない場所は、上の「営業の本拠」の意味に合いません。営業所として認められないのがふつうです
シェアオフィス・コワーキングスペース専用の区画があり、そこで実際に業務をして帳簿や商品を置けるかで判断されます。事前に提出先に相談しましょう

管理者とは

古物商は、営業所ごとに「業務を適正に実施するための責任者」として、管理者を1人選ばなければなりません(古物営業法13条1項)。解釈運用基準は、管理者を、営業所の業務を統括管理し、従業者を指揮監督して、古物営業の法令を守らせる立場の人としています。

管理者になれない人

古物営業法13条2項により、次の人は管理者になれません。

  • 未成年者
  • 古物営業法4条1号〜7号の欠格事由に当たる人(破産して復権を得ていない、一定の刑を受けて5年たっていない、など)
  • 心身の故障により管理者の業務を適正に行えない人として、国家公安委員会規則で定める人

申請者本人が管理者になれるか

なれます。解釈運用基準は、古物商自身が営業所の業務を実質的に統括管理できるなら、自らを管理者に選任してよいとしています。ひとりで営業する個人の古物商は、本人が管理者を兼ねるのが一般的です。その場合でも、誓約書は「申請者本人として」と「管理者として」の両方を出すのが一般的です。

常勤と兼任

管理者は営業所ごとに選ぶので、それぞれの営業所に常勤して管理者の業務に従事できる状態でなければなりません。ただし、複数の営業所が近くにあり、両方を実質的に統括管理できる場合は、同じ人が兼任することも認められます(解釈運用基準)。

離れた地域の営業所を1人が兼ねる、ほかの会社に勤めていて営業所にいない人を名前だけ管理者にする、といった選び方は認められません。解釈運用基準は、管理者を具体的に決めていない場合や、その営業所に勤めていない、または責任ある立場にない場合を、許可をしてはならない「管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある」場合(4条10号)の例に挙げています。

管理者に身につけさせること

古物商は、管理者に、扱う古物が不正品かどうかを見分けるのに必要な知識・技術・経験を得させるよう努めなければなりません(古物営業法13条3項)。特に自動車・自動二輪車・原動機付自転車を扱う営業所の管理者については、車体や車台番号の打刻部分の改造などを見分ける知識・技術・経験が求められ、その業務に3年以上従事した人が通常持っているもの、または団体の講習などで得られるものとされています(施行規則14条)。

管理者を変えたとき

管理者を変えたら、変更から14日以内に届出書を出します(施行規則5条6項)。新しい管理者の略歴書・住民票の写し・誓約書・身分証明書を付けますが、ほかの営業所ですでに管理者になっている人を選んだときは省けるものがあります(同条8項)。手続きの全体は「許可後の変更届」で解説しています。

よくある質問

自宅を営業所にしても大丈夫ですか?
大丈夫です。営業所は帳簿や商品を置き、営業の責任を負う場所なので、店舗でなくてもかまいません。賃貸住宅の場合は、営業に使うことを貸主が認めているか確認されることがあります。
バーチャルオフィスの住所で古物商許可は取れますか?
住所を借りるだけで実際には業務をしない場所は、営業所(営業の本拠)の意味に合わないため、認められないのがふつうです。帳簿の管理や商品の保管、管理者の勤務を実際にする場所を営業所にしてください。
会社員が副業で古物商をする場合、本人が管理者になれますか?
管理者は営業所に常勤して業務に従事できる状態にあることが前提です。自宅を営業所にして、その業務を本人が実質的に統括管理できるなら選任できると考えられますが、勤務の実態について警察署から確認されることがあります。
管理者に資格や講習は必要ですか?
資格は要りません。ただし古物商には、管理者に不正品を見分ける知識などを得させる努力義務があり、自動車・バイクを扱う営業所の管理者には、改造の有無を判定する知識などが求められます(施行規則14条)。

この記事の根拠にした資料

この記事は、上の法令・通達・行政機関の公表資料をもとに行政書類メーカー運営事務局が書き、2026年10月15日時点の内容を確かめています。手続きの細かな運用は提出先によって違うことがあり、法令や様式・手数料も改正されます。実際に申請する前に、提出先の窓口へ確認してください。個別の事情に合わせた判断が必要なときは、行政書士などの専門家にご相談ください。記事の作り方