古物商許可

古物商許可を受けられない人(欠格事由)|前科・執行猶予・破産・未成年はどうなる?

最終確認日:公開日:行政書類メーカー運営事務局

この記事の要点

  • 欠格事由は古物営業法4条の11項目です。1つでも当てはまると、公安委員会は許可をしてはなりません。
  • 刑罰については、拘禁刑以上の刑、または古物営業法違反・窃盗・遺失物等横領・盗品等の売買などで罰金刑を受け、執行が終わってから5年たっていない人が当たります。
  • 執行猶予の期間を無事に終えた人は、刑に処せられた人に当たりません(解釈運用基準)。猶予期間中の人は当たります。
  • 法人は、役員の1人でも1号〜8号に当たると許可を受けられません(11号)。
  • 誓約書でうそを書いて許可を受けると、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になり(31条2号)、許可も取り消されます。

欠格事由の一覧(古物営業法4条)

古物営業法4条は、公安委員会が許可を「してはならない」人を次のように定めています。申請のときに出す誓約書は、これらに当たらないことを誓うものです。

号許可を受けられない人
1号破産手続開始の決定を受けて復権を得ない人
2号拘禁刑以上の刑に処せられた人、または古物営業法31条の罪・窃盗・遺失物等横領・盗品等の有償譲受け等・背任などの一部の罪で罰金刑に処せられた人で、執行が終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年たっていない人
3号集団的または常習的に、暴力的な不法行為などを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある人
4号暴力団対策法による命令や指示を受けて3年たっていない人
5号住居の定まらない人
6号古物営業の許可を取り消されて5年たっていない人(法人の場合は、聴聞の公示前60日以内に役員だった人を含む)
7号許可の取消しの聴聞の公示後に、許可証を返納して5年たっていない人(廃業に相当な理由がある人を除く)
8号心身の故障により業務を適正に行えない人として国家公安委員会規則で定める人
9号営業について成年者と同じ行為能力を持たない未成年者(古物商の相続人で、法定代理人が欠格事由に当たらない場合を除く)
10号営業所ごとに管理者を選任すると認められないことについて相当な理由がある人
11号役員のうちに1号〜8号のどれかに当たる人がいる法人

2号の罰金刑の対象になる刑法の罪は、235条(窃盗)・247条(背任)・254条(遺失物等横領)・256条2項(盗品等の運搬・保管・有償譲受け・有償の処分のあっせん)です。

刑罰についての考え方(2号)

警察庁の解釈運用基準は、2号の言葉の意味を次のように説明しています。

  • 「刑に処せられ」……刑の宣告を受け、その刑が確定したことです。略式命令で罰金刑になった場合は、その告知を受けて確定したときです。執行猶予付きの刑も含まれます。
  • 執行猶予の期間が満了した人……刑の言渡しそのものが効力を失うので、「刑に処せられ」た人に当たりません。5年を待たずに申請できます。
  • 「執行を終わり」……刑の執行を受け終わったことです。仮釈放された人は、仮釈放の期間が終わったときに執行を受け終わったことになります。
  • 5年の数え方……受刑の最終日の翌日から数えます。
  • 「執行を受けることがなくなつた」……刑の時効が完成した場合や、恩赦で刑の執行の免除を受けた場合などです。

つまり、執行猶予の期間中の人は欠格事由に当たり、期間を無事に終えた人は当たりません。交通違反の罰金(たとえばスピード違反)は、2号に挙がっている罪ではないので、罰金刑だけなら2号には当たりません。ただし、拘禁刑(懲役・禁錮)になった場合は罪の種類にかかわらず当たります。

審査では、申請者の本籍地の市区町村への照会によって確認されます(解釈運用基準)。誓約書の内容は警察が確かめる前提で、正直に書きましょう。

破産(1号)

破産手続開始の決定を受けて、まだ復権を得ていない人は許可を受けられません。復権を得れば当たりません。申請書類の「身分証明書」(本籍地の市区町村長の証明書)は、主にこの点を確かめるためのものです。外国人の場合は市区町村長の証明書が交付されないため、この書類を付ける必要はないとされています(解釈運用基準)。

住居の定まらない人(5号)

解釈運用基準は、「住居」を、人が住んで日常生活に使っている家屋などの場所とし、住む期間が永続的か一時的かは問わないとしています。住居を転々としておらず、他人の家を中心に日常生活を送っている場合は「住居の定まらない者」に当たりません。

未成年者(9号)

未成年者は、原則として許可を受けられません。例外は次の2つです。

  • 親権者や後見人から営業の許可を受けている未成年者(未成年者登記が要ります)
  • 古物商の相続人である未成年者で、その法定代理人が欠格事由に当たらない場合

なお、許可を受けられる未成年者であっても、管理者にはなれません(古物営業法13条2項1号)。管理者は別に成年者を選ぶ必要があります。

心身の故障(8号)

国家公安委員会規則で定める人は、「精神機能の障害により古物商又は古物市場主の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」です(施行規則1条の2)。病気や障害があることだけで当たるわけではなく、業務に必要な認知・判断・意思疎通ができるかどうかで判断されます。

法人の場合(11号)

法人は、役員のうち1人でも1号〜8号に当たると許可を受けられません。ここでいう役員は、株式会社の取締役・監査役、指名委員会等設置会社の執行役、持分会社の業務を執行する社員、一般社団法人・財団法人の理事・監事などです(解釈運用基準)。役員を新しく迎えるときは、許可後であっても、その人が欠格事由に当たらないかを確かめておきましょう。

許可後に欠格事由に当たったら

許可を受けたあとでも、次のことがわかったときは、公安委員会は許可を取り消すことができます(古物営業法6条1項)。

  • 偽りその他不正の手段で許可を受けたこと
  • 欠格事由(10号を除く)のどれかに当たっていること
  • 許可を受けてから6か月以内に営業を始めない、または6か月以上続けて休んでいて、現に営業していないこと

また、古物営業に関して法令に違反し、盗品の売買の防止などが著しく妨げられるおそれがあるときなどは、許可の取消しや営業停止の対象になります(24条)。この24条による取消しを受けると、その日から5年間は新たに許可を受けられません(4条6号)。

よくある質問

執行猶予中でも古物商許可は取れますか?
取れません。執行猶予付きの判決も「刑に処せられ」たことに含まれるためです。執行猶予の期間を無事に終えれば刑の言渡しが効力を失うので、5年を待たずに申請できます。
スピード違反などの交通違反で罰金を払ったことがあります。許可は取れますか?
罰金刑で欠格事由になるのは、古物営業法違反や窃盗・背任・遺失物等横領・盗品等に関する罪などに限られます。交通違反の罰金だけなら、この項目には当たりません。拘禁刑(懲役・禁錮)になった場合は、罪の種類にかかわらず当たります。
自己破産したことがあると、許可は取れませんか?
復権を得ていれば取れます。欠格事由は「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」です。免責許可の決定が確定すると、法律上当然に復権します。
未成年でも古物商許可は取れますか?
原則として取れません。親権者などから営業の許可を受けて未成年者登記をしている場合などは例外です。その場合も、本人は管理者になれないので、成年者を管理者に選ぶ必要があります。

この記事の根拠にした資料

この記事は、上の法令・通達・行政機関の公表資料をもとに行政書類メーカー運営事務局が書き、2026年10月15日時点の内容を確かめています。手続きの細かな運用は提出先によって違うことがあり、法令や様式・手数料も改正されます。実際に申請する前に、提出先の窓口へ確認してください。個別の事情に合わせた判断が必要なときは、行政書士などの専門家にご相談ください。記事の作り方